寺島文庫

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<アメリカにおける「コーオプ教育」>

 
 今回は「コーオプ教育」発祥の地アメリカで、特に力を入れている2大学をご紹介します。フィラデルフィアのドレクセル大学は1919年にコーオプ教育を開始、学生は5年間の在学中に最高18か月、3か所での就業体験が可能です。体験先は33州にある1600ヵ所、海外48拠点に用意されております。半年間の就業体験で学生が得る平均報酬は16000ドル以上であり、多くの学生は学費・生活費の足しにしています。こうして在学中に「稼ぐ」経験を経て仕事観を養い、「働く」ことで将来を考え、人脈を築きます。

 ボストンのノースイースタン大学では1909年に始め、5000人の学生を毎年2500ヵ所に送り込んでいます。就業体験は理工学系やビジネスのイメージがありますが、例えば政治学部の学生はアムネスティ・インターナショナルなどの国際NPO組織、ボストン市役所などの自治体、ホワイトハウスや連邦議会といった政府機関、そして国連をはじめとする国際機関等で就業体験の機会を得ています。

 アメリカの教育機関ランキングで有名な『US ニュース&ワールドレポート』では、「インターン/コーオプ教育」の充実度を測る大学ランキングも作成しています。このように、産官学が一体となり学生の就業体験を100年にわたって応援してきたアメリカと比較すると、日本ではインターンシップこそ定着した感がありますが、ワークプレイスメントやコーオプ教育に関しては、その意義の周知を図ることを通じた、さらなる進展が見込まれています。