寺島文庫

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<シンガポール ― 最前線の統合型リゾート(IR)支えるインターンシップ>


 1人あたり名目GDP5.5万ドルを誇るシンガポール。資源も工業生産力もない国ですが、大中華圏とASEAN、そして「ユニオンジャックの矢」(ロンドンからドバイ、バンガロール、シンガポール、シドニーを結ぶ直線)の交差点という地理的特徴を最大限に生かし、観光産業を磨くことで今日の繁栄を築いてきました。その影には学生インターンシップの存在があります。

 シンガポール第一歩の地となるチャンギ国際空港は顧客満足度等で常に世界トップクラスです。この空港では、毎年5~7月のおよそ10週間、小売業から空港の経営戦略、セキュリティに至る多くの部門でインターンが働いています。この「タレント・インターンシップ・プログラム(TIP)」で優秀と認められた学生には正規採用への道も開かれます。
 シンガポールを代表する統合型リゾート施設の一つに「リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)」があります。ここでは毎年500人以上のインターン生が、40カ国の国籍を持つ13,000名の従業員とともに、6件のホテル、ユニバーサル・スタジオ・シンガポール、世界最大級の水族館S.E.A.アクアリウム、東南アジア最大級のスパESPAで働いています。また、マーケティングやIT、人事部門でも多く活躍しています。

 ともに「世界最高を目指す」というビジョンを掲げるチャンギ国際空港とRWS。インターン生としてこの挑戦に参画する学生は、やがて観光産業を担う中核的人材となっていきます。彼らは報酬を得ることで、勤務先の一員という強い責任感と自覚を持って業務に向き合っています。東京オリンピックが開催される2020年に訪日外国人数2,000万人を目標とする日本も報酬を得ることができる就労体験「ワークプレイスメント」の活性化で観光産業を発展させることが期待されます。