寺島文庫

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2016 WINTER  Vol.6


【日総研会長室だより】

地方公共団体から(一財)日本総合研究所会長室にて研修中の3名が、「地域の魅力」をキーワードに郷土の可能性について論じます。


◆まちなか登山と温泉  
 鶴見 幸城(岐阜市役所)

 
 岐阜市の中心部には気軽に登山が楽しめる「金華山」と「百々ヶ峰」があります。頂に岐阜城を冠し、眼下に長良川を見下ろす岐阜市のシンボル「金華山」。その名は、初夏に満開となるツブラジイが山を黄金色に染める様子に由来していると言われています。江戸時代以降、幕府や国に保護されていたたため9割以上が天然林で、今もリスやタヌキなど野生動物や野鳥が多く生息しています。
 標高329mの山頂へはロープウェーより登山がおすすめ。四季を肌で感じながら約1時間で頂上へ。450年前に織田信長公も同じ景色を眺めたと思うと、感慨深い気持ちになります。


 長良川を挟んで位置する「百々ヶ峰」は、空気が澄んだ日にはJR名古屋駅のツインタワーが一望できます。登山のあとは、長良川温泉にゆったりと浸かれば、疲れも吹き飛びます。

 

 

  

◆メディアアーツ都市、札幌の可能性  金田 健一郎(札幌市役所)

 
 札幌市は、2013年にユネスコにより創設された創造都市ネットワークの「メディアアーツ都市」として認定され、札幌のクリエイティビティは世界中から注目されています
。今年10月には、映画・音楽・IT(先端技術)の三分野及びその複合領域において、コンペティション、カンファレンス、ワークショップなど、産業、学術、文化がクロスする、最先端なクリエイティブビジネスの国際コンベンション「No Maps(ノーマップス)」が開催されました。

 分野間の連携を通じて生み出される「新しい領域」「未知の領域」を真っ白な地図に見立て、その可能性をマッピングするというテーマのもと、コンテンツビジネスの活性化とグローバル展開の加速化を柱として、若手育成や文化創出も見据えた広がりのある事業となっています。今年はプレ開催、2017年に第1回目の本開催を予定しており、今後も札幌を「世界屈指のイノベーティブなまち」にすることを目指して、産学官一体で盛り上げていきます。

 

 

◆冬の夜空を焦がし彩る大輪の花  猿田 達彦(埼玉県庁)

 

 日本の「三大美祭り」に数えられる祭りが埼玉県にあります。京都の「祇園祭」、岐阜の「高山祭」と並ぶその祭りは、「秩父夜祭」です。毎年12月1日から6日まで開催されます。この祭りの醍醐味は、冬の夜の暗い冷気に、祭りの熱気が入り混じる、独特の雰囲気と高揚感です。夜6時半頃、秩父神社から屋台(山車)が次々と現れ、囃子の調べに乗って曳かれてゆきます。夕闇を万灯で照らしながら進む絢爛かつ荘厳な姿に、見る人々は自然と心が躍り、曳行の終盤、勾配のきつい「団子坂」を駆け上る時、祭りは最高潮を迎えます。

 そして山車の頭上には七千発もの花火が打ち上げられ、冬の夜空を彩ります。この感動的な風景は、12月3日の大祭に見ることができます。池袋駅から特急レッドアロー号で80分ほど、是非一度お越しください。